シャープペンといえば、100円ショップでも買える文房具の代表格です。それなのに今、大人たちが7,000円を超えるシャープペンに列をなしています。「文房具総選挙2026」ではまさかのトップ3をシャープペンが独占。しかもトレンド部門として「プレミアムシャーペン」という新カテゴリまで誕生しました。何が起きているのか、掘り下げてみます。
文房具総選挙2026、トップ3をシャーペンが独占
GetNavi・GetNavi web主催「文房具総選挙2026」(投票期間:2026年3月24日〜4月26日)は今年で14回目。71点がノミネートされたこのアワードで、開票の結果、なんとトップ3を「シャープペン」が独占するという珍しい事態になりました。うち2つは、今年新設された「プレミアムシャーペン部門」からの選出です。
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大賞のシンドバットは少し毛色が違う「はかどり」重視の実用モデルですが、2位・3位はどちらも「プレミアムシャーペン部門」からの選出。しかもこの部門、今年初めて新設されたトレンド部門です。運営いわく、「2025年に新たに誕生したメーカーが、第一弾商品として7,000円台のシャープペンで市場に参入したり、人気筆記具ブランドがコラボしたりと、新旧の叡智が融合しながら層の厚いジャンルへと急成長した」ため、新設に至ったとのことです。
そもそも「プレミアムシャーペン」って何なのか
数百円で買えるシャープペンが当たり前だった市場に、なぜ7,000円台の商品が続々と生まれているのか。象徴的な2本を詳しく見てみましょう。
なぜ、今このタイミングで高級シャーペンなのか
数百円のシャープペンでも、書くという行為自体は十分にできます。それでも大人たちが7,000円台のシャープペンに手を伸ばす理由は何なのか。ここにはいくつかの要因が重なっていると考えられます。
- リスキリングブームで「大人が本気で勉強する」機会が増え、道具にもこだわりたくなった
- デスクワークで「毎日触れる道具」への投資は、実は費用対効果が高いと気づく大人が増えた
- SNSでの「文具映え」需要。真鍮ボディや透明軸は写真映えする
- 機構オタク気質の大人にとって、クルトガエンジンが「見える」ビスタモデルはたまらない
- 「自分へのご褒美」需要。頑張った自分に、ちゃんとした道具を買ってあげたい気持ち
でも7,920円のシャープペンは、
「書きたくなる」道具になる。
これは万年筆や高級ボールペンの世界で以前から起きていたことが、シャープペンという「学生の道具」というイメージが強かったジャンルにも波及した、と見ることもできます。文具ソムリエール・菅未里さんは大賞のシンドバット復活について「シャーペンが揃う珍しい結果ですが、それぞれ特徴のあるラインナップでシャーペン市場の成熟を感じました」とコメントしています。まさに「成熟」という言葉がぴったりです。
2本を比べてみると
個人的に面白いと思うのは、大賞を取ったのが「7,000円台の高級モデル」ではなく、「40本の芯が一度に入る、実用重視の復活モデル」だったという点です。プレミアムシャーペン部門は新設されて盛り上がりを見せつつも、投票者全体の心を掴んだのは結局「はかどる」というシンプルな実用価値でした。
高級路線と実用路線、どちらもシャープペンというジャンルの中で同時に評価されている。この振れ幅の大きさこそ、菅未里さんの言う「市場の成熟」なのだと思います。
プレミアムシャーペンというジャンルは、今年生まれたばかりです。新興メーカーの参入、老舗同士のコラボ、そして「復活」という物語まで、たった一つのカテゴリの中にこれだけの多様性が生まれているのは、文具好きとして単純にワクワクします。100円のシャープペンで十分という考え方も間違いなく正しいけれど、7,920円払ってでも欲しくなる理由が、確かにここにはあります。
📌 まとめ
文房具総選挙2026でトップ3をシャープペンが独占。新設された「プレミアムシャーペン部門」からは、新興メーカー・カーユプラスの「AIMVISION PRO」(7,920円)と、三菱鉛筆×LAMYの「LAMY safari KURUTOGA inside」(4,180円)がランクイン。大賞は約20年ぶりに復活したサンスター文具の「シンドバット」でした。
数百円が当たり前だったシャープペン市場に、明確に「高級路線」が確立されつつあります。毎日触れる道具だからこそ、こだわる価値がある──そう思わせてくれる新ジャンルの誕生です。
